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女性が働きやすいバス会社vol.003

『女性活躍推進プロジェクト』
開始から3年、
相鉄バスの働きやすさの秘密を探る

相鉄バス株式会社

2019.10.17

現場の声を取り入れた『女性活躍推進プロジェクト』

2016年8月にスタートした
『女性活躍推進プロジェクト』

神奈川県内で主に路線バスを運行する相鉄バス株式会社。
男性社会のイメージが強いバス業界で、2016年に『女性活躍推進プロジェクト』の立ち上げ以降、女性の採用や女性が働きやすい環境の整備に力を入れています。
今回は、実施後に女性バス運転士が倍増したという『女性活躍推進プロジェクト』の概要と、そこで働く女性バス運転士の方のインタビューをご紹介します。バス運転士の採用強化を図る中、女性活躍推進法の成立も後押しとなって発足したプロジェクトです。女性の採用・定着・キャリアアップの3つの分野について、様々な取り組みを行っています。

会社を挙げての取り組み

●採用・定着

全国の運転士のうち、1.8%ともいわれる女性比率。相鉄バスでは、採用目標人数に対し、10%は女性を採用するようにする等の目標を掲げています。また、入社後も安心して長く働いてもらうための取り組みを行っています。

女性バス運転士採用に関する広報活動

現役の女性バス運転士と直接話ができると好評の、女性限定営業所見学会を不定期で実施しています。営業所にて車両見学やワンマン機器操作の体験はもちろん、相鉄グループである横浜ベイシェラトンホテルで食事をしながら、現役の女性バス運転士と直接交流を持つことが出来ます。仕事のやりがいや、家庭との両立をどう工夫しているか、どんな事に苦労したかなどを聞くことができ、リアルにイメージできると好評です。プロジェクト発足後2回実施しており、採用に至った女性運転士たちは、現在も第一線で活躍中です。

仕事内容への不安の払拭

出庫すると一人でバスを運転することになるバス運転士。「不測の事態が起きたら、どうすればいいの?」と心配な方もいるかもしれません。しかし、相鉄バスではワンマンに対する不安払拭のために運転士一人ひとりに携帯用の初動マニュアルが配布されています。更に、万一に備え、女性運転士には防犯ブザーも配布しています。運転士一人の責任ではなく、会社全体で対応する環境が整っており、安心して仕事ができます。

設備の充実

女性用設備が整っている会社が少ない中、相鉄バスは、女性運転士にアンケートを取り、要望を聞いたうえで、設備の新設や改修を積極的に行っています。

  • <カプセルベッド>

    ホテルで使用されるものと同等レベルというカプセルベッド。プライベート空間が保たれ、ゆっくり仮眠をとることができます。

  • <ドレッサー>

    椅子・コンセント・照明もついた広々としたドレッサー。

  • <休憩室>

    以前は畳の上にローテーブルがあるのみで、そこで仮眠をとっていた休憩室。今では、ゆったり座れるソファと、ソファの高さに合うテーブルが設置されており、「休む」スペースと「仮眠をとる」スペースが分かれているため、寝ている人を気にすることなく休めます。

  • <シャワールーム>

    「シャワーのみ」というバス会社も多い中、広々とした浴槽付きのバスルームを完備しています

この様に、積極的な広報活動や、働きやすい環境の整備を行うことで、他のバス会社と比較検討し、相鉄バスを選んで応募される女性が増えたといいます。

☆こだわりポイント☆

「こだわったのは、『1つの扉の中で、全てを完結させる』ということです。つまり、女性用の設備は全て、女性のみが入れるエリアにあります。例えば、シャワー後や洗顔後のラフな格好をした、本当にリラックスできる状態で男性社員と会うことなく休憩も仮眠も着替えも完結できる空間を作ることが、設計の段階からの必須事項でした。

ハンドブックの配布

介護や育児を理由に離職することがないよう、社内外の制度や、会社の福利厚生について解説するハンドブックを全社員に配布しています。例えば、育児休暇を取得する場合の給与について、相鉄グループ内の保障制度の他、国からの手当等についても解説しており、経済的な不安を解消できるようにしています。各福利厚生の申請手順や必要書類等を解説しており、積極的に制度を活用してもらうように働きかけています。

運転士含め全社員に実際に配布されているという、介護や育児の制度を解説するハンドブック。配布後は、女性だけではなく男性の育児休暇取得も増えたそう。
☆こだわりポイント☆

「ハード面は女性に特化したものになりますが、こうしたハンドブックやマニュアルは、男女問わず、広く運転士・営業所事務所員・本社員すべての社員に利用してもらえるように作りました。『女性活躍推進プロジェクト』という名前がついていますが、結局はこうしたハード・ソフト面が整っていくことが、全社員が働きやすい状態につながると思います。」

●キャリアアップ

相鉄バス株式会社には、様々な道で活躍できるキャリアアップ制度が用意されています。

登用試験

バス運転士としての最初のステップアップは班長・副班長です。班長・副班長とは、一班十数人のバス運転士をまとめるリーダー職であり、高速バスの乗務も可能になります。勤続年数の条件をクリアすれば、男女問わず登用試験を受けることができます。本プロジェクト開始前後に入社した女性運転士も、受験条件である勤続年数(1年半)をクリアしつつあるため、これから多くの女性リーダーの誕生が期待されます。

セミナー開催

相鉄グループ内に限らず、外部セミナーの参加も推奨しています。

プロジェクトの効果

20代女性の入社も

2019年度ではすでに8名の女性が入社試験を受け、中には20代前半の女性が入社と、幅広い年代の方にアプローチが出来ています。

仮眠が取りやすくなった

カプセルベッドの導入により、女性運転士からは「仮眠がしやすくなった」との声が上がったとか。運転士がしっかり休憩を取り、体調を整えることが、バスの安全運行にもつながります。

「もっとこうしてほしい」—新たな改善
要望でプロジェクトに弾みも

一度に全ての設備を改修できるわけではありませんが、「次はここを直してほしい」という新たな要望も上がってきています。現場の女性運転士の声を反映しながら、更なる改善に取り組んでいく予定です。

『女性活躍推進プロジェクト』担当の想い

本プロジェクト担当のお一人、相鉄バス総務人事部の熊野さんにお話を伺いました。

相鉄バス株式会社 総務人事部の熊野さん。プロジェクト開始時から担当として様々な取り組みを行われてきました。「『人材が不足しているから、女性を採用して不足を埋める』という考えではなく、『女性が持っている能力を借りたい』という思いでいる。そのためには、働き方やキャリアの面でどのように会社としてバックアップしていくかという点について、今後は力を入れていきます。」と語ります。

-これから入社される女性や、今在籍している女性運転士に期待していることはありますか?

プロジェクト開始前後に入社してきた女性が、運転士としての最初のステップアップである登用試験を受けられるようになってきました。登用試験は勤続年数の条件があるので、今はまだ受験できる女性運転士は少ないですが、数年後には女性の受験が当たり前になっていてほしいですね。これは私だけではなく、社内の誰もが願っていることだと思います。当社では運転士から事務職の係長や課長へキャリアアップしていった者もいます。ぜひこうした登用制度を利用して、自身のスキル・キャリアアップを目指してほしいなと思います。

-最後に、これから相鉄バスに入社したい女性、相鉄バスに興味がある女性に向けて、メッセージをお願いします。

運転士、事務所員、本社員の皆が女性のご応募を歓迎し、入社後も応援しているので、ぜひ安心して頂ければと思います。また、入社後は第一線で活躍している女性運転士の先輩が各営業所にいますので、何も不安に思うことはありません。ぜひ、お気軽に会社説明会にご参加いただき、ご納得した上でご応募いただければと思います。

相鉄バスで働く女性バス運転士に
インタビュー

仕事と休憩時間で気持ちを切り替えて、乗務にしっかり集中

「女性活躍推進プロジェクト」発足後にバス運転士として入社した亀井さんに、お話を伺いました。

-バス運転士になろうと思ったきっかけは何ですか?

もともと運転に関する仕事に興味があり、以前は自動車教習所の指導員として働いていました。指導員として働いていて、自分で運転する仕事に興味がわいてきた時に、「バス運転士募集」という広告を見て、自分の将来の可能性が広がったのだと思います。

-広告を見たのが相鉄バスだったということでしょうか。

そうですね。相鉄バスの広告を見て珍しいなと感じたのが、「女性限定の説明会」が行われるということでした。それを見て、「バスの運転士もいいな」と思い始めました。また、説明会では、現役の女性バス運転士さんとお話ができるということだったので、その点にも興味がわきました。

綾瀬営業所所属、入社3年目の亀井さん。現在は路線バスを担当されています。

-女性限定の説明会はいかがでしたか?

詳しく教えて頂けたので、相鉄バスに就職した時のイメージがわき、参考になりました。「相鉄バスに入社しよう」という決め手になりましたね。

-バス運転士になる前と後で、予想と違ったことはありましたか?

入社する前からシフトの例は知っていたのですが、そのシフトに自分のリズムを合わせられるかが心配ではありました。やはり、最初は不慣れなことが多かったので少し大変でしたが、慣れてくると、時間をうまく活用できるようになり、イメージのギャップを埋められるようになってきたと思います。

-「時間を活用できるようになった」とのことですが、どんな工夫をされたのでしょうか?

シフトによっては長めの休憩時間があり、その間は一旦自宅に帰っても良いことになっているので、家事をするなどして、自分の時間を有効に利用しています。

以前は女性向けの運転士募集の広告や説明会はほとんど見かけなかった中で、「ピンク色や白字、レースのような模様」で装飾された、相鉄バスの女性向けの広告が目を引いたそうです。

-バス運転士の仕事のやりがいや魅力は何ですか?

お客様と直接顔を合わせて接客・運転するので、お客様の表情を見られるのがやりがいにつながりますね。運転技術の面でも、「お客様が少し手すりにつかまりづらそうかな?」「体勢が辛そうだな」など、車内の様子を把握したうえで、自分の運転技術でカバーしていこうと、お客様のためにもっと運転スキルを上達していこうと、気持ちに磨きがかかります。

-「女性活躍推進プロジェクト」を通して設備が大幅に改修されましたが、変わって一番良かった点はなんですか?

一番大きいのは、やはりベッドルーム(カプセルベッド)ができたことですね。休憩時間に個室感覚で休むことができるので、とても助かります。また、出先の折り返し場にも女性専用のお手洗いを設置して頂いたので、使いやすくなりました。設備が整っていると、休憩時間にしっかり休めて、仕事と休憩の切り替えがうまくできるので、仕事に集中できるのでとても良いですね。

取材時、多くのバスが待機する営業所内を運転してくれた亀井さん。運転するときの表情は真剣そのものです。普段の乗務では、発進・停止時は特に注意して運転操作・アナウンスしているといいます。「乗り心地が良かった」とお客様からお褒めの言葉を頂いたことがあり、嬉しかったと語ってくれました。

-今後の目標は何ですか?

当社で運転士の最初のステップアップとなる、副班長・班長ですね。副班長・班長になると、路線バスだけではなく高速バスに乗務できるようになるので、仕事の幅を広げていきたいと思います。

-相鉄バスに興味がある女性、バス運転士になりたい女性に向けて、メッセージをお願いします。

大型バスの運転というと特殊なイメージを持たれるかもしれませんが、当社は研修制度がしっかりしています。サポートも充実しているので、運転や接客が好きな方にはぜひチャレンジして頂きたいと思います。

取材時点(2019年8月末)では、女性運転士のリーダー職はまだいないとのこと。キャリアアップを目指して、日々業務に励んでいます。

プロジェクトは、これからも続く

担当者は「女性の働き方に関する取り組みは、まだこれからです。今後は、採用だけではなく、定着やキャリア面にも力を入れて取り組みたい」と語ります。これからも、女性が働きやすい環境を追求し続ける相鉄バスで、働いてみませんか?

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